逃亡したい
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魍魎の匣をみた。
率直な意見を書こうと思う。どっちかというと映画の感想というより、私が
なぜこの原作が好きなのかという話になりそうだが。
原作を知らずに見ると、なかなか面白い作品だと思う。コメディタッチで
ミステリーというよりは、ちょっとサスペンスチックな
見やすい作品ではなかったかと思う。勧善懲悪に近い。
監督もよく考えて作ったんだろうなと思えるところが随所にあり
これはこれで良かったようにも思う。
しかし、これがあの、私の好きな「魍魎の匣」だったかというと
否と答えるしかない。
まったく別の物語だと、そう思った。
まず久保が久保ではない。
関口が関口ではない。
そして木場が、木場ではなく、そして京極堂も京極堂ではない。
全く別の人物のような気がしたのだ。
別の人物の、別の物語。 それでいいなら、よかったのに。
そう、判りやすく言えば「妖しさ」と「哀しさ」が全くなくなり、
ただの娯楽映画になっていた。
私がなぜ、この作品が好きなのか、なぜ、久保竣公に惹かれてしまうのか、
なぜ関口巽が好きなのか。その理由を、この作品はまったく飛ばしてしまっていた。
可笑しさにそげかえられていた。そんな気分だ。
原作をみないで見たひとに、加菜子の哀しさが判ったのだろうか。頼子の
危うさが判る人がいたのだろうか。あの関口の闇が判る人がいたのだろうか。
久保の哀しさを判る人がいたのだろうか。木場の、京極の、美馬坂の
悲しさをだれが判るのだろう。
「見たい。あの匣の中が見たい」その言葉の先にある危うさを判る人がどれだけいた
のだろう。
そこまで思いめぐらして、わたしはあの作品を「哀しい話」だととらえているんだなあと気づいた。みんなが哀しい。でも一人は幸せになったんだろうけど。
勧善懲悪でくくれるものなら、妖怪はいらないのではないんだろうか。
それこそ、不思議などどうでもいい。
だって、あの映画には「不思議など何も必要がない」
そうじゃないと思う。
私がこの作品の最も大切な台詞だと思う文章をとりあげておく。
映画には一切つかわれていなかったが。
やはり原作と映画は本当に別ものなんだと実感した。
率直な意見を書こうと思う。どっちかというと映画の感想というより、私が
なぜこの原作が好きなのかという話になりそうだが。
原作を知らずに見ると、なかなか面白い作品だと思う。コメディタッチで
ミステリーというよりは、ちょっとサスペンスチックな
見やすい作品ではなかったかと思う。勧善懲悪に近い。
監督もよく考えて作ったんだろうなと思えるところが随所にあり
これはこれで良かったようにも思う。
しかし、これがあの、私の好きな「魍魎の匣」だったかというと
否と答えるしかない。
まったく別の物語だと、そう思った。
まず久保が久保ではない。
関口が関口ではない。
そして木場が、木場ではなく、そして京極堂も京極堂ではない。
全く別の人物のような気がしたのだ。
別の人物の、別の物語。 それでいいなら、よかったのに。
そう、判りやすく言えば「妖しさ」と「哀しさ」が全くなくなり、
ただの娯楽映画になっていた。
私がなぜ、この作品が好きなのか、なぜ、久保竣公に惹かれてしまうのか、
なぜ関口巽が好きなのか。その理由を、この作品はまったく飛ばしてしまっていた。
可笑しさにそげかえられていた。そんな気分だ。
原作をみないで見たひとに、加菜子の哀しさが判ったのだろうか。頼子の
危うさが判る人がいたのだろうか。あの関口の闇が判る人がいたのだろうか。
久保の哀しさを判る人がいたのだろうか。木場の、京極の、美馬坂の
悲しさをだれが判るのだろう。
「見たい。あの匣の中が見たい」その言葉の先にある危うさを判る人がどれだけいた
のだろう。
そこまで思いめぐらして、わたしはあの作品を「哀しい話」だととらえているんだなあと気づいた。みんなが哀しい。でも一人は幸せになったんだろうけど。
勧善懲悪でくくれるものなら、妖怪はいらないのではないんだろうか。
それこそ、不思議などどうでもいい。
だって、あの映画には「不思議など何も必要がない」
そうじゃないと思う。
私がこの作品の最も大切な台詞だと思う文章をとりあげておく。
映画には一切つかわれていなかったが。
やはり原作と映画は本当に別ものなんだと実感した。
「き、京極堂、も、魍魎とは、いったい何だ」
「魍魎とはな関口。境界だ。軽はずみに近寄ると向こう側へ引き摺り込まれるぞ」
(略)
殺すつもりなどなかったのだ。ただ、匣に入れたかっただけだ。
(略)
そうだ、私は魍魎だ
匣の中に充満しているのは訳の解らない魍魎なのだ。
だから、私の実体は私でなくて匣の方なんだ。
私は、魍魎の匣だ。
(略)
私は匣になってしまった。
匣は何かを入れるためにあるんだ。
匣そのものになってしまったって、仕様がないんだ。出せ、出せ、匣から出せ!
(略)
「雨宮は、今も幸せなんだろうか」
「それはそうだろうよ。幸せになることは簡単なことなんだ」
「人を辞めてしまえばいいのさ」
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