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帝都万華鏡 桜の頃を過ぎても (講談社X文庫 はG- 1 ホワイトハート)
鳩 かなこ 今 市子
406286505X


これはですね。かなりすごい新人さんが出てきたなあ、と思ったりして。
というか栗本薫(中島梓)先生推薦!と帯に書いてあったので
何の迷いもなく手に取ったわけですが、まあ見事に当たりでした。

中島先生(栗本先生のお名前で書かれていましたが)の解説にも今の明るいBLにはない傾向のものと書かれておりましたが、私なりにBLというより「昔のJUNE」と種別したくなる一作でした。

私がまだBLというジャンル名がなかったころにせっせと読んでいたのは
小説道場の師匠中島梓大先生のお弟子さんたちがお書きになったもの
だったわけです。作家栗本薫の作品は私にとって重過ぎるものではあったのですが、評論家中島梓の選ぶ作品には外れはなかったのです。

うーん、私の求めているものはこういうものなんですよねえ。
先生のいうところの「熟成された妖しくも悩ましい世界」
そうこの「妖しい」がミソなのです!

耽美に妖しさがなくてなにが耽美か! (ぎゃー)

最近ではJUNE復興か?と思えるように往年(というにはそんなに時間もたってないと思うんだが)の作品が復刊している。ちょっと前から「間の楔」シリーズ、ちょっと前から江森備の「私説三国志 天の華・地の風 」のシリーズ。そして秋月こおの「カシミアのダンディ」!!!! 
(身悶える)

なんだこのJUNE風味たっぷりな作品の復刊ラッシュは!
うれしいなあ(にやり)

数年前から感じていた「このジャンルも衰退していくんだろうなあ」という想いの裏で、妖しさをたっぷりどっぷり含んだ作品が「新たに這い上がってくる」ってことは、やっぱり原点に戻ってきたのかなあ。

といろいろなことを考えたりした本です。

読んでいてい随所に「いやあ、これだよー、うまいねえ」と思わせる。別になにか事件が起こるわけでもない。ただの恋愛ものというわけでもない。妖しくて、哀しくて、でも嬉しい。 そんな作品ですよ。

しっかしこういうモノが売れるんだったら、どこかの出版社様、浦辺朱さんの作品を単行本にしてくれないかなー。(まだ言ってるのか、俺)

私にとってのJUNEモノの最高傑作はやっぱり浦辺さんなんですよ~
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